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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章  〝岬〟 


    ◇    ◇

「……」

 ベッドに腰掛けている、わたし。気を失ったわけではないけれど、放心したまま、どれくらいの時間そうしていたのか、わからない。たぶん、数分だろう。

「岬ちゃん……?」

 気がつくと目の前には、心配そうな均くんの顔があった。既にアイマスクは外されている。

「わ、わたし……」

 果てた後の顔をずっと見られていたと自覚し、急速に両方の頬が熱くなった。

「なんか、ごめん」

 そう言った彼は、いつもの――コンビニの時の均くんだ。

 それがわかると、やはりホッとする。そして、申し訳なさそうな彼に対し、今度はわたしの方が申し訳なくなった。

「あの、わたしこそ……」

 そう言いかけて、わたしは急に可笑しくなって、笑いそうになる。

「岬ちゃん?」

「ふふ……わたしたちって、いつもお互い、謝ってばかりですね」

「ハハ、ホントだ」

 そうして、顔を見合わせて微笑み合った時だ。

「あ!」

 不意にわたしは、均くんの股間を注視して驚く。

 わたしの視線の先を追って、均くんも気づき、そして慌てた。

「こ、これは、その……岬ちゃんが感じてるのを見てたら、興奮して……ご、ごめん!」

 言ったばかりなのに、もう謝っている。そんな彼はさっきまでの彼とは、やはり別人みたいだった。

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