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第7章 ビジネス始めちゃうかも。

『こんにちは〜！　タイスケさんいる？』


マイコは
作ったばかりのおにぎりと
オカズをタッパに詰めて
タイスケの鉄工所を訪れた。


タイスケの経営する
ウチヤマ鉄工は
マイコがこの田舎町にやってきてから
まるで
マイコが幸運の女神だったかのように
少しずつ
業績を上げていた。

マイコがこの町にやって来たときは
従業員が
タイスケと
当時、地元の高校を卒業したばかりだった
佐伯賢也【サエキ　ケンヤ】だけだったのが
この4年で
毎年1人ずつ
高校を卒業した従業員を
雇えるようになってきたのだ


『あ！マイ姉さん。コンチワっす！』
そうケンヤが
マイコに挨拶をした

マイコはタイヘイの鉄工所の従業員たちからは
【マイ姉さん】と
呼ばれて親しまれるようになっていた

ウチヤマ鉄工の従業員は
ケンヤの他に
横川弘【ヨコカワ　ヒロム】21歳。
立岡雅也【タテオカ　マサヤ】20歳。
宮前順【ミヤマエ　ジュン】19歳。

25歳になった
マイコから見たら
可愛い弟たちのように思える存在だった


マイコは
仕事が休みのとき
こうしてタイヘイの鉄工所に
手作りのお弁当の差し入れをするのが
習慣になっていたのだ。



『あーーー。マイちゃん、いつも悪いねぇ。』
奥の事務所から
タイヘイがそうマイコに声をかけて出てきた。


4年の歳月は
タイスケとマイコが
それぞれ
【タイスケさん】
【マイちゃん】と呼び合う
仲のよい義兄妹になっていた。