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第2章 二人だけのオフィス

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 お互いのやる気を見せあっただけで午前の仕事を終え昼休みになった。

「お昼休憩は12時から1時、くらいの1時間。仕事の具合によっては多少ずれがあるけど。
 まあそんなこといちいち言わなくても判るわよね。
 少し行けばとんかつ屋とかカフェとかいくつかあるわ。
 コンビニは少し離れてるのよね」

そう説明してくれているまり恵ちゃんは、バッグの中から花柄の包みを取り出した。

「中野さんは弁当持参ですか?」

「たまにだけどね。あ、あれ?菱沼君も?」

まり恵ちゃんに話しかけながらバッグの中から俺も包みを取り出した。

「今日は初仕事の日だからって、母親に持たされました」

紺色の地味な縞模様の弁当包みを開けて見せてやった。二段重ねの弁当箱。

「そっか、菱沼君ご実家だったわね。おうち、どこだっけ?」

「南千住です。23区の中のいわゆる下町ってとこです」

「一人暮らししたいと思わないの?」

「まだ専門学校卒業したばっかりだし、便のいいとこにただで住めるんですから、
 今のとこは。だから当分は実家暮らしですかね。あ、俺がお茶入れます」

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