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プロポーズ体験売り出します
第2章 二人だけのオフィス

小さなキッチンへ初めて足を踏み入れると、コーヒー、紅茶、日本茶が
それぞれにふさわしい入れ物に入れられて並んでいる。
そしてそれぞれにふさわしいカップや湯飲み。
さっき出してもらった信楽焼のマグカップと同じ作家の物らしい湯飲みを手に取り、
これでいいかとまり恵ちゃんに確認する。
するとまり恵ちゃんもキッチンにやってきて、これは来客用、こっちがスタッフ用、と
指を差して教えてくれた。
「菱沼君、気が利くわね、見かけによらず。あ、ごめんね。
だって、そういう事はいつも彼女がやってくれると思ったからさ。
彼女は?何やってる人?」
「今いないっすよ」
トレイに急須と湯飲みをのせて振り返りながら、ニタっと笑って見せてやった。
俺には現在彼女はいない。
いや、これまでも恋人と呼べるような女と付き合ったことがあるとは言えない。
けどちゃんと経験は積んでますよとイヤらしく唇の端を片方上げて教えてやると、
「じゃあ遊びだけだったの?」とさらりと失礼な言葉を浴びせてきた。
それぞれにふさわしい入れ物に入れられて並んでいる。
そしてそれぞれにふさわしいカップや湯飲み。
さっき出してもらった信楽焼のマグカップと同じ作家の物らしい湯飲みを手に取り、
これでいいかとまり恵ちゃんに確認する。
するとまり恵ちゃんもキッチンにやってきて、これは来客用、こっちがスタッフ用、と
指を差して教えてくれた。
「菱沼君、気が利くわね、見かけによらず。あ、ごめんね。
だって、そういう事はいつも彼女がやってくれると思ったからさ。
彼女は?何やってる人?」
「今いないっすよ」
トレイに急須と湯飲みをのせて振り返りながら、ニタっと笑って見せてやった。
俺には現在彼女はいない。
いや、これまでも恋人と呼べるような女と付き合ったことがあるとは言えない。
けどちゃんと経験は積んでますよとイヤらしく唇の端を片方上げて教えてやると、
「じゃあ遊びだけだったの?」とさらりと失礼な言葉を浴びせてきた。

