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プロポーズ体験売り出します
第4章 一人目のお客様
・・・婚期を逃した、ってそういう事すらも言われないのよ、この歳になると。
もうそういうこと自体触れてはいけない事柄扱いなわけ。
恋人はいますっていってもじゃあ結婚ねなんて話が先にすすむこともないの。
こんな歳じゃあ結婚したって子供はできないし、これまで自由に生きてきたんだから
そっちのほうがいいじゃない?なんて同年代のオンナは平気で口にするわ。
一人の方が気楽でいいわよ、旦那なんかいたってなんにもならないしウザいだけよ、
なんてね。でもそれって結婚したから思う事でしょう?
私はしたことないんだもの、結婚。だから試しにしてみたいとは思うの。
でも彼は・・10歳年下の彼は自由人なの。自分のために生きる、っていうのが
彼の人生なのよ。自分のやってみたい仕事をして興味のあることに時間を注いで。
家庭をもって家族を養って、そういう事には興味はないみたい。
それが解っているのに一緒にいるってことは、私もそれでいいと
思っているからなんだと思う。
試しに結婚してみたいって言ったけど、ほんとうはしなくていいと思っているんだわね、
本心は。彼という人間とかかわり続けられればそれでいい・・・