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プロポーズ体験売り出します
第5章 二人目のお客様
プロポーズ体験の初売りを無事に終えて一息ついたのもつかの間。
次なるお客様との商談を迎えた。
今度のお客様は26歳という若い女性。
いったいどんな理由でこの商品を予約したのか。
プロポーズだの結婚だのってまだまだこれから考えるっていう年頃だろうに。
「この、絹田彩加さんってまだ26でしょ。もうプロポーズの体験なんてしてみたいんだ。
別にお金かけて他人に頼まなくったってこれからチャンスなんて
いくらでもあるだろうに」
頬杖を突きながらパソコンを斜めに見ていると、まあね、とまり恵ちゃんが細く呟いた。
「どんな理由でこの商品を買いたいか、ちょっと気になるわね。
えっと、2時にいらっしゃるんだっけ?」
まり恵ちゃんが壁掛け時計を見上げる。
あと40分ほどで絹田彩加がやって来る。購入理由も気になるが、
同年代の女子はどんな女の子なのか、俺のタイプかそうでないか。
そして姉貴と1歳しか違わないその女のプロポーズ体験に込める想いは
いったいなんなのか。