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プロポーズ体験売り出します
第5章 二人目のお客様



「う~ん、理由ねぇ・・・そりゃ興味があったから、それっきゃないっしょ?」

見た目の地味さとは裏腹な話し方がけっこうなギャップを感じる。
肩よりも10センチくらい長いストレートの髪に眉まで隠れるくらいのおかっぱ前髪。
竹下通りとかにそぞろ歩いている若い女の子とはまた違った雰囲気の女の子に見えたけど、
口を開けば高校生並みの軽いノリ人間だっていうのが俺の印象だ。

「まあ、確かにそうですね、それに尽きるといってもおかしくはないですよね」

まり恵ちゃんの作り笑顔がぎこちなく傾く。
別に理由によって商品のクオリティが変わるわけじゃないけど、
前回の切実な想いを持っての商品購入の後だけに、
まさに興味本位で買いますっていう事にがっかりしているようだったので、
すかさず俺が口を挟んだ。

「確かに興味引く商品だけど、でも絹田さんの年齢だったらこれからいくらでもって
 思えるんだけど、いえ思えるんですけど?」

26歳。まだまだこれからじゃないか。
姉貴の場合はわりと早いケースだ。今どきは結婚が遅くなっているって、
統計でも出ているだろう?興味っていう理由だけなのかな、と俺は勘繰る。
まあそれが俺がひねくれ者たる所以だけど。
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