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プロポーズ体験売り出します
第6章 いよいよ、3番目のお客様
本社ビルに急に呼ばれていったまり恵ちゃんの代わりに
俺が聞き取りをするよう言われた。
そう、とうとう一人前の従業員としての初仕事を命じられたのだ。
任された嬉しさももちろんだけど、それ以上に俺の心を揺さぶっていること、
それは相手が水神さんだということ。
普段挨拶を交わしたりちょっとしたおしゃべりをするだけのご近所さんに
どんな大人の事情があるのか。
それをこの耳で直接聞くことができるわけだ。
興奮する。でもガツガツしたところを見せないように
いつも通りにクールな俺でいなきゃ。
ゆったりとした余裕の動作でコーヒーを淹れ、クッキーをガラスの小鉢に盛り、
お客の前に置いて今度はパソコンとタブレットの用意。
それでも少々テンパりは隠せない。
そんな俺の動きを面白そうに眼で追う水神さんの前に座るまでに
何度テーブルの脚に突っかかったことか。
「本日水神様の担当をさせていただきます菱沼です。
不慣れですがどうぞよろしくお願いします。
ではさっそく、水神さんはなんでプロポーズ体験をしたいと思ったんですか?」
俺が聞き取りをするよう言われた。
そう、とうとう一人前の従業員としての初仕事を命じられたのだ。
任された嬉しさももちろんだけど、それ以上に俺の心を揺さぶっていること、
それは相手が水神さんだということ。
普段挨拶を交わしたりちょっとしたおしゃべりをするだけのご近所さんに
どんな大人の事情があるのか。
それをこの耳で直接聞くことができるわけだ。
興奮する。でもガツガツしたところを見せないように
いつも通りにクールな俺でいなきゃ。
ゆったりとした余裕の動作でコーヒーを淹れ、クッキーをガラスの小鉢に盛り、
お客の前に置いて今度はパソコンとタブレットの用意。
それでも少々テンパりは隠せない。
そんな俺の動きを面白そうに眼で追う水神さんの前に座るまでに
何度テーブルの脚に突っかかったことか。
「本日水神様の担当をさせていただきます菱沼です。
不慣れですがどうぞよろしくお願いします。
ではさっそく、水神さんはなんでプロポーズ体験をしたいと思ったんですか?」