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プロポーズ体験売り出します
第6章 いよいよ、3番目のお客様
不倫してるからですか?と言葉が続きそうになったのをぐっと飲みこんだ。
その一瞬のためらいに気付いたのか、水神さんは知ってるんでしょ?と
意味深なつぶやきを返してきた。
「お察しの通り、不倫の恋じゃあプロポーズは一生無理だからね。
でもさ、やっぱりあこがれるのよ。ウェディングドレスなんかよりずっと・・
だって私の一生を自分に託してほしいって、求められるわけじゃない?
ああ、私って必要とされているんだっていう喜びっていうか満足感っていうか、
あるわけじゃない」
「でもさ、しょせん嘘、作り物なんだよ?
見知った仲の俺なんかが台本通りのセリフを吐いても満足してもらえるんですか?」
水神さんは膝の上に置いた自身の手をゆっくりと擦る。
その右手を少し浮かせて薬指にはめられている指輪を俺の方に向けた。
きっと不倫相手がくれた物なのだろう。
左手薬指ではないけれど、これが証しだと言いたいのかもしれない。
でも俺から言わせればそれは、ただのモノに過ぎない。
そんな「モノ」でも心を繋ぎとめておいてもいつかは外す時が来るだろうに。
その一瞬のためらいに気付いたのか、水神さんは知ってるんでしょ?と
意味深なつぶやきを返してきた。
「お察しの通り、不倫の恋じゃあプロポーズは一生無理だからね。
でもさ、やっぱりあこがれるのよ。ウェディングドレスなんかよりずっと・・
だって私の一生を自分に託してほしいって、求められるわけじゃない?
ああ、私って必要とされているんだっていう喜びっていうか満足感っていうか、
あるわけじゃない」
「でもさ、しょせん嘘、作り物なんだよ?
見知った仲の俺なんかが台本通りのセリフを吐いても満足してもらえるんですか?」
水神さんは膝の上に置いた自身の手をゆっくりと擦る。
その右手を少し浮かせて薬指にはめられている指輪を俺の方に向けた。
きっと不倫相手がくれた物なのだろう。
左手薬指ではないけれど、これが証しだと言いたいのかもしれない。
でも俺から言わせればそれは、ただのモノに過ぎない。
そんな「モノ」でも心を繋ぎとめておいてもいつかは外す時が来るだろうに。