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あなたからは逃げられない
第8章 珍しいクリスマス

「おめでとう?」
「二人の結婚記念日なんだ。
毎年俺をじぃやばぁに預けて二人でディナーに行ってた。
イブは二人で過ごしてクリスマスは家族でって感じかな。」
仲が良かったんだなぁと私は込み上げる気持ちを我慢できなくなって泣いてしまった。
また手を合わせて私は声に出さずに話しかけた。
おめでとうございます。まだお互い知らないことだらけだしわからないこともたくさんあるけどよろしくお願いしますと...
「行くか。」
龍輝さんに言われて車に戻る。
車に乗り込むとこんな所に連れてきて悪かったと謝られた。
「ううん、つれてきてくれてありがとう。
寂しくない?一人で...」
龍輝さんはふっ、と笑いもう慣れた。と言う。
私はそれ以上何も言えなくなってしまった。
車は来た道を戻る。
龍輝さんの右手と私の左手は席の間で繋がれていた。
また揺られる振動が気持ちよくなってきて気付くと眠ってしまっていた。
今でもご両親を大切にしている龍輝さん。
私は見習わないといけないと思いながらも夢を見た。
両親と弟で旅行している夢を...
いつかまた実現できたらいいなぁ...
着いたよ。と起こされた時はもうレストランのあるホテルに来ていた。

