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あなたからは逃げられない
第2章 捕えられた私



車で待っているだろうと思った私が馬鹿だったみたい。
私の後ろをぴったりくっついて部屋の前までやってきた龍輝さん。

「早くしろ。10分だ。」

「あの…なぜ来たの?」

「は?お前絶対部屋に入ると来なくなると思ったから念の為だ。

ここにいるから鍵はかけるな。10分こえたら乗り込むぞ。」

本当にやりかねない。
こんな予定ではなかったのにこの人の強引さには勝てそうにない私は、言われた通りに着替えと必要なものだけバッグにつめて部屋を出る。

鍵をかけるためにバッグを下に置くと龍輝さんは何も言わずにそのバッグを持った。

いつもの鍵でロックをするとアパートの階段を先に降りてしまった。

これで荷物が人質だ…ん?荷物だから物質?
なんて馬鹿なことを考えるのは辞めた。

これからさっきお試しで、お付き合いをすることになった社長さんの家に泊まりに行こうとしているのだから。

父にバレたらやばいだろうなぁ。と変なことを考えながら龍輝さんを追いかける。


「明日は10時から会議なだけだ。
間に合いそうな時間に下まで頼む。」

『かしこまりました。』

二人の会話が耳に入る距離までやってきた。



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