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あなたからは逃げられない
第2章 捕えられた私



膝がガクガクと笑っていて動けなくない…
目を瞑ったままその場にじっとしていた。

「大丈夫だ。俺がいる。

葉月、おいで。」


さっきコンシェルジュと話していた時とは正反対の優しい声で私を呼ぶ。


「む、無理です。
乗ってしまえば目を開けなければいいけど…床が透けてる時点で乗ることが…出来ない。」


すると持っていた荷物をエレベーターの中に置き龍輝さんが私の元へ戻ってきた。


「エレベーターの床は明日にでも見えないようにやってもらうよ。だから今日は目を閉じて?」

「そんなに簡単に出来ないでしょ?」

「出来るよ。」


マンションのエレベーターなんてみんなが使うもの。
なのに一人の権限でそんなこと勝手に出来ないでしょ。

私はゆっくり龍輝さんの顔を見た。
するとニッコリ笑っている龍輝さん。


「なんで?」

私がなぜかと問い詰めると龍輝さんがエレベーターのすぐ横の壁を指さす。


そこには...


【このエレベーターは最上階専用です。】

さ、さ、最上階。


私はもう終わったと思うしかなかった。

「俺しか使わないんだ。だから誰の許可もいらねぇ。」

耳を疑いたくなるような発言だった。



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