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あなたからは逃げられない
第15章 新生活への準備

クラスに戻り先生の最後の話を聞いた後にみんなでお別れをする。
理央は彼が迎えにきてくれていて手を繋いで帰っていった。
奈々は斎藤くんがピタッと張り付いていて、離れて!と怒りながら歩いている。
私は学校を出るために門へ向かうと人集りが出来ている。
そこには藤堂美咲ちゃんもいる。
何人もの女の子に囲まれているのは間違いなくあの人。
背が高いかはみんなの中でも飛び抜けているからすぐにわかってしまう。ズキッと胸の痛みを感じていると人集りの中から龍輝さんが出てきてくれた。
「葉月帰ろう。おめでとう」
そう言って私な頭に手を置いて額にキスをしてくれた。
周りからはえ?どういう関係なの?小鳥遊さんの彼なの?似合わない…など聞きたくない声が聞こえてくる。
似合っていないことなんか分かってるよ。と思いながら彼が手を握って私を連れ出してくれた。
『葉月!』
藤堂さんに呼び止められてしまった。
『もしかしてあなたこの方と付き合ってるの?』
「うん…」
『へー、就職先の社長が彼なんてコネ入社だったんだ。』
嫌味っぽく言われて私は周りの目が気になって何も言えなくなってしまった。
でもすぐに彼の声が頭の上から聞こえてくる。

