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あなたからは逃げられない
第16章 入社式、波乱の幕開け



そんな声が耳に入っていないのか彼はスーパーの中で私の腰に手を回して歩いていく。

「今日はすき焼きにでもするか。」

「いいね。お肉もこれとかどう?」


私が牛肉を持ちこれは?と聞いてみた。一応国産牛肉を手に取ったのにそれを元に戻されて龍輝さんが違う商品を手に取った。

「こっちの方が美味そう。」

「それ高い…こっちでも十分美味しく作れるのに。」

「脂のさしが違うだろ。」

私が手に取ったのもある程度の値段がするものだったのに龍輝さんが手に取ったのは3枚しかお肉が入っていないのに3000円もするものだった。

一枚1000円のお肉…
高すぎる!!食費は龍輝さんが毎月出してくれている。でもこの人2日二一回1万渡してくるんだよね。どういう金銭感覚なのかよく理解ができない。


今までかなり良いものを食べていたのかもしれないけど料理の仕方によってかなり美味しく作れるものがある。


私はそんな風にしていたのに彼は高級なものや良いものをどんどんカゴに入れていくから困っちゃう…


今回は彼の意見を飲んで高いお肉にした。次は私なりに安く美味しく作って食べさせてやろうと心に決意した瞬間だった。





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