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あなたからは逃げられない
第4章 気持ちを込めたお料理

大河原さんが私に見せたのはクレジットカードでそれも真っ黒なもの。
見たこと無いわけじゃない。父も母もブラックカードを持っていたから。
「でも今回は私が龍輝さんに作りたいんです。だからこのお金で買ってきてください。」
すると大河原さんは私に諭すように話を始めた。
『社長は今まで恋人がいたこともあります。
ですがみなさん社長の地位と財産目当ての方ばかりでした。私から見てもひどい方ばかりで...
今までそんなことありませんでした。強請られても買う事なんてなかった。
でもそんな社長が初めて私にカードを差し出したのです。あなたのために、葉月様に必要なものは全てこれで買ってこいと。
分かりますか?使わないと明細が届いた時に私が怒られてしまいます。なのでここは社長の言う通りにしてください。』
大河原さんは絶対受け取ることは出来ないと私に封筒を返してくる。
そんな彼に負けて私は封筒をカバンにしまった。
「じゃぁ、私が好きで買ってくる時はいいですよね?」
『葉月様がここに一人で来ることがありますか?』
確かに。ここの鍵もなければここまでの道のりも知らない。
『私は買い物に行きますが他にございませんか?』

