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あなたからは逃げられない
第4章 気持ちを込めたお料理

『葉月様はお父様の秘書をなさるんではないのですか?』
父の秘書?!絶対嫌だ!
ってなことも言えないから当たり障りのない答えを。
「父には優秀な秘書さんが付いてるんです。私なんて足元にも及ばないから。」
笑いながら大河原さんに伝えるとなにか閃いたかのように私の隣にやって来てこう言った。
『社長も秘書を探しておりました。葉月様が公私共に支えて下さるなら私どもは嬉しい限りです。』
龍輝さんの秘書。彼の秘書を見た事がないからどうなのか分からないけど…
父の秘書さんはいつも忙しそうだった。
ミスをしてはならないからいつも必死にスケジュール管理をし常に携帯と予定表は手にあった気がする。
「でも今の秘書さんいらっしゃるんじゃ…」
大河原さんはため息をついて話し始める。
『彼女はもうなんて言っていいか。
遅刻はする、ミスをしても気付かない。スケジュール管理も出来ず会社で絶対会わせては行けない人を会わせる。
社長がこの前限界が来たらしく怒鳴ったら辞表を置いて来なくなりました。』
なんて人なの。責任ある立場って私達はすごく教えられてきたのに。
『葉月様が来てくださることを期待します。』
大河原さんは至って真面目だった。

