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あなたからは逃げられない
第4章 気持ちを込めたお料理

リビングに居たはずなのにいつの間にかダイニングへと移動してきている。
「することあったら言ってくれ。手伝うから。」
そう言われた私は仕事の邪魔はしてはいけないと大丈夫だよ。と言って少しずつ準備をする。
タブレットを見ながらスマホを手に取り誰かに電話をはじめた。
「俺だ。〇〇商事のあれ片付けといて。
終わったらメールの報告でいい。それから明日は一日連絡してくるな。」
龍輝さんは自分の言いたいことを言って電話を切りまたタブレットに集中している。
私はそんな彼を見ながら料理をしていた。
いつもやっている事なのにすごく緊張しているのはここが自分の家じゃない事と龍輝さんが近くにいること。
私の中の予定では作ってから何時間もして遅くに帰ってくると勝手に思い込んでいた。
なのに彼が帰ってきたのは夕方にもなっていない時間だったから予定が狂っちゃったんだ。
「えっと...それから。」
今日の料理の他に冷蔵庫に作り置きできるオカズを作って保存しておく。電子レンジで温めれば食べられるように。
ブツブツ言いながらリビングに背を向けて調理していると真後ろに龍輝さんが立っていることに気付く…。

