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蝶々と甘い蜜。
第6章 蝶が羽ばたくとき
「福田さん…?」


三島が部屋を出て行ってから
大声で泣き叫んで
ボーっと夕日をあの部屋で見ていた。
夕日が沈んだ瞬間、また夜がきて……
三島との思い出が少しづつ蘇ってくるのが嫌で
部屋を急いで出てきた。


一日中何も食べず、飲まず、泣いていたから
酷い顔なのは自分でも分かっていた。


「福田さん、どうしてここに……もしかしてあれからずっと?」


「ずっとってわけじゃないけど、やっぱり気になって……こんなことしたって迷惑だと思ったんだけど……。」


福田さんがただただ純粋に私のことを心配してくれている気持ちは、声や表情を見ればわかる。
そして、まさかこんな顔の私と出くわすとは思っても見なかったのだろう。


「怒られたりとかした……?」


声を出す代わりに首を横に振った。
もう、涙は出ないぐらい泣いたと思う。
だけど、福田さんの優しさが……今は嬉しくて肩が自然と震えてきた。
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