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蝶々と甘い蜜。
第2章 契約
「ゆっくり考えればいいですよ。焦るものではありません。」


「そう……ですよね。」


そうだ……。
あの人もゆっくりでいいって言ってくれた。
言ってくれたのに……


まだ唇に残る感触が
耳に残るあの人の声が
触れられた腕が熱くて
胸が、子宮が、締め付けられる。


もっとあの人に触れてほしい。


まだあの人のことを何も知らないから
もっと、もっと、知りたい。


これは、きっと、あの青いバラの香りのせいだ。
あの香りに吸い寄せられるように
あの人のところへ行きたい。












「あの……っ」
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