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蝶々と甘い蜜。
第4章 蜜が欲しくなる
「綺麗……」


三島に導かれるまま窓のそばに立つと
キラキラと宝石のような夜景が目の前に広がっていた。
三島とこんな契約をしなければ
きっと一生見ることはない景色なんだろう。


「この部屋のカギを君に。」


「私に?」


「私は鍵がなくてもこの部屋に入れる。三島グループのものだから。」


「……私はいつでも来ていいんですか?」


「この部屋は君のものだ。」


「いいんですか?」


「20歳から30歳の女性として素敵な時間を私の相手で潰してしまうのだから。」


三島にもらったこの部屋に住んでしまおうかと何度も思った。
だけど、住んでしまったら
三島が帰ったあと、彼の香りだけ残って
毎日が苦痛になる。
それなら、いっそ抱き合うだけの部屋のほうがいい、そう20歳の私は思ったんだ。
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