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蝶々と甘い蜜。
第4章 蜜が欲しくなる
「私が結衣に、結衣が私に集中できるようにそういう部屋にしているんだ。この部屋は防音対策もしっかりしているから物音ひとつしない。ほら――」


スーツ姿の三島がネクタイを外すと
シュルシュルっと音が部屋に響いた。
ネクタイって外すとこんなにも音がでるものなのだろうか。
いや、この部屋に何もないからこれだけ音が響くんだ。


“ギシッ――”


ベッドの音も響いて
その音に胸がドキッとなる。
普段聞きなれている音も
その音しか聞こえないとなると
何だかエロい……。


三島はこのことが言いたいんだ。
この部屋は2人だけの空間で
聴覚も楽しめれると――。


「こっちにおいで、さぁ。」


“コツ、コツ――”


ヒールの音が響くたび
自分の心臓も高鳴る。
私の心臓の音も聞こえてしまいそうだ。
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