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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第12章 愛を識るとき
「(いい、匂い・・・・・・)」
若草のような匂いの暖かなモノに包まれてホッとする。
「ん・・・・・・」
ゆっくりとまぶたを上げると白っぽいモノが視界に入った。寝具かと思って目を擦った。
「ッ゛?!!!」
ぼやけていた視界がハッキリしてくるとその〝白っぽいモノ〟が無機質なモノではないことに気が付いた。驚いて声を上げそうになる口を両手で押さえて顔を上げた。
「(ジュリ、アス・・・さんっ)」
当然と言えば当然なのだが彼の寝顔を初めて見た。こんなにも肌を重ね同じ褥で
過ごしておきながら初めてその美しい寝顔を見たのだ。
「(やっぱり、キレー・・・)」
陶器のような白い肌・白に近いブロンド・まつげも長くて唇の色素も薄い。今さらながらに〝なぜ?〟と思ってしまう。
やっぱりこんな人物が一般市民の自分を選ぶなど信じられない。