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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第15章 障害物狂想曲━ アジタート ━
ドアの前で騒ぐ男に気を取られてしまい1番気にしなければならない彼女のことを失念していた。部屋に居させれば大丈夫だと思っていたのだ。
「それでは、ジュリアスさまにくれぐれもミエリアさまが〝宜しく〟と言われていたとお伝え下さいね。」
「〝ミエリア〟さま・・・ですって?」
出て来た名前に戸惑った。
「そうです。お嬢さまのために私は、動きます。あなたも公爵家の執事なら判るでしょう?」
「いったい、なにを・・・」
「お嬢さまのためです。あなたも旦那さまのために早く〝黒髪の乙女〟を捨てた方がいいですよ。」
「なんですって?」
ドアの向こうの男の言葉に困る。
「では、これで。」
男は、質問攻めにする前に居なくなってしまった。
「っ、珱月さま!!」