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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第15章  障害物狂想曲━ アジタート ━
  


 ハッと我に返って踵《キビス》を返すと走って階段を登り少女の部屋へと向かった。戸惑うこともなくドアを勢いよく開けた。
 簡単に空いたドアで自分が注意を引き付けられていたことを思い知らされた。


「ん゛~~!!」


「マリーッ!!」


 視界に最初に入ったのは、後ろ手に拘束されているメイド。メイドが口を塞がれながら〝なにか〟を訴えている。


「あ、珱月さま・・・・・・ッ」


 視線を下にズラすと床で痙攣している少女に気が付いた。慌てて駆け寄り傍に膝を付く。


「う・・・ぁあ・・・・・・っ」


 うめき声を上げてはいるが意識がハッキリしているとは言えない。幸か不幸か自分が手配した救急車のサイレンが訊こえてきた。


「マリー。私は、珱月さまを病院へ連れて行きますからジュリアスさまに連絡を。」


 メイドの拘束を解いて指示を出すと毛布で少女を包み抱き上げる。


  
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