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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第15章 障害物狂想曲━ アジタート ━
》 》 *
レースのカーテンが揺れているのが薄らと開けた視界に入った。
「珱月・・・気が付いたか?」
優しい声にハッとしてベッドの横に視線を移す。白の隊長服が目に入った。
「ジュリアス、さん・・・・・・」
その姿を確認すると逢いたかった。逢いたくなかった・・・複雑な感情が一気に湧き上がり自然と涙が零れていた。
「珱月・・・・・・泣かなくていい。」
「っ・・・ふっ、うぅ・・・・・・」
彼に涙を拭われて改めてあの男の感触がよみがえって身体が震える。
「珱月っ!!」
「ぅ、ふぅ・・・ジュリ、アス・・・・・・さっ」
彼がベッドに乗って強く抱き締めてくれる。彼に抱き付いて大声で泣いてしまった。日本でこれほどまでに泣いたことは、ない。
〝泣いたら負け〟な、気がして・・・今まで泣けなかった。