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第15章 　障害物狂想曲━ アジタート ━

　　


「あぁ━━ッ（イクッ、手ぇ･･･だめっダメッ）！！」


　ビクンッと大きく身体を跳ねさせて彼女は、俺の腕の中で果てた。


「っ、うぅ･･････」


「珱月？！！」


　甘い吐息が訊こえるハズが違うものが耳に届いた。


「っ、ふ･･･う･･････ひど、酷いですッ。」


「珱月･･････？」


　握っていた手に力が無くなって肩が冷たい。


「珱月･･･泣いて、るのか？」


　彼女がどんな気持ちでどんな表情をしているのか判らなかった。


「珱月･･･？」


　彼女の姿が気になって腕の中から解放した。


「ッ゛！！？」


「ぅう･･･ふ、う･･････ッ」


　彼女は、ボロボロと涙を流している。彼女の心情を解してやれずその姿に戸惑っていた。
　甘い吐息を想定していた俺の思考は、完璧に停止した。



　愛の成る方へ･･････。