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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第16章 障害物狂想曲━ アフェッツオーソ ━
彼女が泣いている。いったい、どうしたというのか。本当に判らなかった。
「〝許して〟なんていませんっ!私、私は・・・・・・っ」
「珱月・・・・・・」
震えて泣いている彼女の姿をしばらくみてしまった。考えが足りなかったことに自分の感情を彼女に一方的にぶつけてしまったことに気がつくまでに本当に時間が掛かった。
恐ろしい程に今まで自分が〝円滑〟にこなせていたと思っていた対人スキルがまるで役に立っていないことを思い知った。そうして考えがまとまったころ彼女の小さな泣き声が耳に入った。
「珱月・・・・・・悪かった。」
そう告げて抱き締めた。思えば自分は、30手前の〝いい大人〟なのだ。彼女は、まだ彼女の国では守られるべき〝未成年《コドモ》〟なのだ。
1人が長すぎて靡く者ばかりが近くに居すぎて〝気に掛ける〟をおろそかにしてしまった。