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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第17章  障害物狂想曲━ フォルティッシモ ━
  


 婚約者にこれ以上の危害が加えられないように守りたいのだが・・・それは、自分の仕事が許さない。第1に考えて護らなければいけないのは、〝国王〟だ。
 つまりどんなに身近な者を護りたくとも許されない。それを初めて思い知った。


「ジュリアスさん。ジェイドさんの気持ちは、嬉しいのですが・・・やっぱりダメです。」


「珱月!」


「珱月さま・・・」


「お2人のお気持ちは、よく判りました。でも王さまの護衛を私的に使っては、お2人が責めを受けてしまいます。私は、大丈夫ですから。」


 彼女が断ることは、想定内だ。だからこそ〝護衛をしたい〟と言い出した奴を連れて来たのだ。


「珱月さま。王さまのお許しは、得ています。どうか・・・ジュリアスさまが戻られるまでお傍に置いて下さい。」


「ジェイドさん・・・」


 真剣な申し出を彼女が断れないのは、判っていた。


  
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