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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第19章 上流階級の仕来り
公爵家・・・ソレに縛られて身動きの出来ない哀れな両親。きっと一族中がこの選択を騒ぎ立てて異議を唱えるだろう。
たとえ国の仕来りに従いまた、〝黒髪の乙女〟が相手なのだと熱弁を振るっても損なのだ。無意味なのだ。
上流階級の枠組みでしか生きてこなかった者たちにとってそこから逸脱する行為は、恐怖であり〝異端〟なのだ。そんな頭でっかちな古臭い連中に〝なにか〟を説《ト》いても時間の無駄だ。
だから俺は、好きに生きる。使えるコネ全てを使って。
初めてのこの感情を捨てる気も奪われる気もない。
《 《
「ジュリアスさま・・・」
「ジェイド。」
顔を強張らせて部下がやって来た。
「どうした?見当は、付いたのか?」
任せていた件の進捗《シンチョク》状況を問いただす。
「それが・・・・・・」