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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第19章  上流階級の仕来り
  


 今さら人選ミスを感じても遅い。


「ミエリアさん・・・」


「はい、お義母さま。」


「わ、私は、なにも知らないわ。」


「ええ、構いません。家が、守れればいいのですものね・・・お義母さま。」


「っ・・・・・・」


 体面を気にするクセに裏を知らない女が面白くて仕方がなかったが煩くされないのならそれでいい。


「さぁ、紅茶が冷めてしまわないうちにどうぞ。」


 女に勧めてから自らも紅茶を飲んだ。女のカップを持つ手が震えていた。


 》 》


 家を守るためならみんな多かれ少なかれ表沙汰には、出来ない〝なにか〟をしているものだ。ソレを知らない者が居ることは、稀だ。
 本当に大事にされているか疎《ウト》いかのどちらかなのだ。

 上流階級の世界には、〝真実〟の関係など存在しない。〝使う〟か〝使われる〟かのどちらかだ。


  
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