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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第19章 上流階級の仕来り
だからこそ家柄は、重要なのだ。もしも家柄に不足があるのなら自ら人脈を造って身を立てるしかない。
それに気が付かなければ生き残っては、いけない。
王さまが味方でもその王さまに味方し従う臣下が居なければ国は、成り立たないのだ。それを彼は、知らない。
私が多くの重臣たちを動かせるのだと、いうことを・・・
《 《
「ねぇ、マリー。」
お茶を運んできたメイドに思い切って予てより訊きたかったことを尋ねてみることにした。
「はい、珱月さま。なんでしょうか。」
「あのね。この国へ来てから度々耳にしているのだけれど・・・〝黒髪の乙女〟って、なんなのかしら?」
彼に言われ、彼の両親も驚き、王妃さまにも言われ、あの男にも・・・女性にも言われた言葉。〝黒髪の乙女〟・・・とは、いったいなんのことなのか。