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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第20章  ソレは、伝説の・・・
  


「どう、した?」


「気になっていたのです、ずっと。私を襲った者も“ 〝黒髪の乙女〟なのだから癒やせ ”と脅してきたほどです。王妃さまにも言われました。」


「〝王妃さま〟??」


「はい。お城でお目に掛かったときです。」


「そう、だったのか・・・」


「ですから、そろそろ教えて頂けませんか?」


 きっと国に纏《マツ》わる謂《イ》われがあるのだろうとは、理解できる。王族や貴族がこんなにも国にいるのだから。


「笑わないで、訊いて欲しい。」


「はい。」


「この国は、近代化の進んだ今現在でもとても閉鎖的な考えを持つ者が多く暮らしている国だ。
 〝自国こそが全て〟なんて人間がごまんと居るのが現状だ。王さまと王妃さまと俺は、そんな古臭い考えから抜け出したいんだ。国をもっと自由に拓きたい。
 だから君を選んだ。」


  
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