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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第20章 ソレは、伝説の・・・
「でも、私を〝黒髪の乙女〟として利用しようと・・・」
「そうだ。それは、古臭い人間たちを黙らせる為だったしいつまでも昔話の迷信を信じていても先には、進めないのだと知らしめる目的があった。しかし今は、君をそんなことに使いたいとは、思わない。」
「判っています。それで、〝昔話の迷信〟ってなんですか?」
彼の告白を訊きたいのではない。そんなのを訊いているうちに話しが出来なくなってしまう気がした。
「昔、むかし・・・遥か昔・・・・・・
美しい山河と豊かな海に愛された国が在りました。そこには、悪意など存在するのかさえも判らない程に人も大地も豊で穏やかでありました。その国は、【 ランデルージュ 】と言いました。
争いのない不可思議な国でした。
ある年大飢饉と疫病がこの国を襲いました。大地は、枯れ果てて恵みの海は、荒れ狂っていました。