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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第21章 朝には、甘い一時を
出掛け際に用を思い出した。
「判りました。」
「それじゃあ、珱月の面倒を頼むな。」
「かしこまりました。」
執事とメイドに見送られて屋敷を出た。
》 》
欲しいモノも。したいコトも。なにもなかった。
ただ〝家のために〟と騒いでいる両親が滑稽に映って・・・いつか自分も同じ枠組みの中に勝手に組み込まれるのだと知ってしまいヤル気を無くした。
まさか・・・今更〝欲しい者〟や〝したい事〟に出逢うとは。彼女が世界を回す。グルグルと・・・・・・
《 《
「いらっしゃいませ、ジュリアスさま。」
案内された部屋には、親の決めた婚約者が待っていた。見目は、いいお嬢さま。没落寸前の〝伯爵家・令嬢〟・・・。
「ああ、やっとお目にかかれましたね。」
初顔合わせであった。
温もりを知ってしまったら・・・。