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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第22章  マリーゴールドは、静かに・・・
  


 〝知らない〟などと言わせる気はない。


「そうだ。〝黒髪の乙女〟がそんなにお気に召しておいででしたら側室にお迎えなさいませ。住まわせるくらいなら許して差し上げますよ。」


「それこそ、〝惨め〟・・・ではないのか?」


「ふふ、なにを今更仰《オオ》せですか。
 貴族の夫は、愛人を囲うものです。それにいちいち反応しているようでは、妻など務まりません。正妻は、屋敷の女主なのですから。そんなものに一喜一憂などしていては、示しがつかないではないですか。」


 〝愛がないから惨め〟だと?なにを今更。そう、今更だ。
 この国は、そうやって繁栄してきたのだ。直系の血筋が卑しくない者など居ない。正妻の子など数えるしか存在していない。
 夫は、好きでもない女と家同士の結婚をする。そこに〝情が生まれるのか〟は、それこそ神のみぞ知る世界。。。


  
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