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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第23章 宿り木の下で偽りの口付けを
婚約者がなんだと言うのだ。言葉だけ形だけではないか。自分は、彼から望まれたのだ。それが真実だ。
「なんですって・・・?」
「すみません、ミエリアさま・・・。私は、私を〝好きだと〟。〝愛している〟んだと・・・囁いてくれるジュリアスさんを信じます。
たとえいつかこの信じる気持ちが裏切られても・・・私は、信じたことを後悔なんかしません。
だから・・・私は、あなたの言葉を一欠片だって信じません。」
優しく熱い温もり。あの褥の中が全て。理不尽に信じる気持ちを踏み荒らされた などない。
「ふふ、全く・・・どこまで世間知らずなのかしら。私は、両家が認める正式な婚約者なのよ。重臣たちがどちらを許すと思うの?
異国の女と貴族の娘と、簡単な問答のハズだけれど・・・」
「そうです。この国の方たちは、きっとあなたがいいと思われるでしょう。」