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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第23章 宿り木の下で偽りの口付けを
いちいち嫌なことを言わせてくるな・・・と思いながらも答えた。
「しかし私は、〝黒髪の乙女〟です。誰がなんと言おうとも。」
「そんな伝説如《ゴト》きで説得出来るのかしら?」
「私は、この国の主が見初めた親衛隊長が連れて来た〝黒髪の乙女〟です。神秘の力があるとかないとかは、関係がないことです。この国の方たちは、いまでも〝黒髪の乙女〟に信仰心も情もお有りのようですから・・・」
「なんて、女。図々しいにも程がある。」
「それは、〝褒め言葉〟として・・・受け取っておきます。」
彼女も必死なのは、よく判る。しかしだからといってして良いことと悪いことは、区別をしなければならない。
「やっぱり、見誤っていたようだわ。これくらいでは、倒されない・・・ってことなのね?だったら私は、もっと上の手段を使わなくっては。」