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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第25章 想い合うと云うこと
「ん・・・・・・誰?」
「珱月、ただいま・・・」
ビデオカメラを引き出しにしまって声を掛ける。
「・・・ジュリアス、さん?」
「そうだよ。遅くなってすまない・・・」
「いいえ、お帰りなさい。」
「っ・・・・・・」
身体を起こして微笑んでいつものように迎える言葉をくれる。
「っ?!・・・ジュリアス、さん??」
「少し、このままで・・・」
「はい。」
あえて〝知らない〟フリをしてくれている彼女に謝るのも失礼な気がして抱き締めるしか出来なかった。
「ジュリアスさん。」
「ん?」
「両親とは、連絡がつきましたか?」
「ああ、連絡を取った。一両日中には、渡航の準備が整うハズだ。」
「そうですか・・・緊張、しますね。」
「なぜだ?」
「両親に結婚すると勝手に決めた相手を紹介するからです。」