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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第26章 ヒナギクの禁忌
「ミエリア・・・お前は、俺のモノだろう?」
切なく見つめられれば応えてやりたくなる。そっと頬に触れて微笑む。
「ソレが判っているのなら身体が誰の処へ嫁いでも構わない・・・ハズよ。」
「お前は・・・・・・判ってない。」
「判っているわ。」
「いいや、なにも判ってない。俺のこの気持ちを・・・他人《ヒト》の気持ちも。」
「ふふ、ソレって・・・気にしないとイケないのかしら?人は、みんな〝自分が1番可愛い〟と言うのに。」
「気に、すべき・・・と説教のひとつもしてやらないとイケないのだがな・・・・・・〝本当は〟。しかし俺には、お前を咎めることが出来ない。
俺の所為で愛も希望もない処へ嫁がされるのだからな。」
「いいえ。お義兄さまのことがなくっても私は、この道を選んだわ。みんなが傅《カシズ》く地位に居られるなんて・・・・・・素敵でしょう?」