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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第26章  ヒナギクの禁忌
  


 私は、自分《ワタシ》が心底可愛い。可愛がられるのも心地がいいから好き。兄だけど〝欲しい〟と熱く求められれば与えたい。
 自分が大事にされているのは、もの凄く心地がいいから。それなりの家に嫁いだのは、相手の家が私にゾッコンだったから。
 しかし家が無くなって実家に戻ると周りも親も腫れ物に触るような態度を取ってきた。本当に腹立たしい。
 しかし義兄《アニ》だけは、違った。

 〝大変だったな・可哀想に〟と優しくしてくれ私が笑顔になるならとなんでもしてくれて私は、サロンの女王に返り咲いた。そんな義兄に熱く求められて私は、自分を差し出した。〝禁忌を犯した〟のだ2人で。

 罪悪感などない。優しく壊れ物のように扱われて抱かれるのは、悪い気がしないし自分にドップリと浸かれる時間が好みだった。
 義兄の切なそうに私を呼ぶのも一興であった。


  
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