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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第26章 ヒナギクの禁忌
「ミエリア・・・・・・」
「女は、ただでさえこの国では身分が低いのだからきちんと地盤を固めて置かなくてはイケないのに・・・誰も彼もがお気楽なのよ。本当に・・・困った人たちばかりだわ。」
兄にこんな話しをしても意味がないのだがつい口をついた。
「これから、どうする?」
「種は、蒔いたわ。ただ実りある収穫を望めるのかは、微妙だわね。
今の王さまだけなら重臣が騒げば落とせるかもしれないけれど・・・先王さまがまだご存命だし・・・・・・それに」
「〝それに〟?」
「影を常に解き放っておいでの先王さまの耳にこのことが入れば面倒になるでしょうね。それでもやる価値は、あると思っているわ。王さまが狼狽《ウロタ》えて〝黒髪の乙女〟を国外追放にでもしてくれればいいのだけれど・・・」
ソレが難しいのは、判っていた。