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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第33章 両親よりも・・・
両親を嫌いではないけれど・・・あのキラリともしない生活へ戻りたいとは、思わない。
初めは、帰りたかったのに・・・・・・いまでは、ここに居たいと思っている。それほどに気持ちは、変わってしまった。
「私は、帰りません。ジュリアスさんの妻になります。」
私は、両親を冷静に説得するつもりだったのに・・・啖呵を切ってしまった。
「あの人は、お前を好きではない。」
「いいえ。私を好きです。」
「〝黒髪の乙女〟とか言われて利用されているだけだ。」
「違います。彼は、きちんと私を愛してくれてます。」
「お前は、まだ幼くて判らないんだよ。こんな異国に連れ去ってすっかりお前を懐柔してしまった。
たしかに幼いお前には、私たちとの暮らしよりお世話係の居るこの生活がよく目に映るのかもしれない。しかし現実は、違う。」