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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第33章 両親よりも・・・
「私は・・・・・・」
「いいかい、珱月。ここは、貴族が世の中を牛耳っている国なんだ。お前は、中流階級だ。それも日本の。
判るね。どんなに想い合っていても結婚には、釣り合いと言うものがあるのだから。」
「じゃあ・・・私は、日本で平凡な結婚をしたら倖せになれるって言うの?」
「そうだよ。夫婦の身分が釣り合わなければ段々と間に歪《ヒズ》みが生まれるものだ。そうこうしているうちにお互いを傷つけ合って終わってしまう。ジュリアスさんは、立派な家柄だし王さまの近衛隊長だと言うじゃないか。
身分不相応だよ、珱月。」
父の言うことは、もっともだ。自分は、〝なにか〟・・・勘違いしているのだろうかと思わせた。
「珱月。一緒に帰ろう・・・」
「そうよ。この部屋を見てご覧なさい。」
「お父さん、お母さん・・・」