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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第4章 復讐の道具ですか?
「(っ!!?)」
吐息を感じて目が覚めた。すると耳元で甘く名前を囁かれて心臓が飛び出そうなほどに驚いた。
「ジュリアスさま。医師は、早朝いらっしゃいます。」
「判った。お前たちも、もう休め。それと、マリーに〝驚かせてすまなかった〟と伝えてくれ。」
「身に余るお言葉です。伝えておきます。」
「お優しいんですね。」
「ずいぶんと、トゲのある言い方だな・・・。」
執事を帰してからドアを閉めると後ろから声を掛けられて振り向いた。ベッドが大きいのか彼女が小さいのかアンバランスな構図だった。
「あなたのことを私は、なにも知らないんですよ。もちろん、あなたも同じですけど・・・」
「なるほど。〝知りたい〟と言う欲求は、大事だな。これから〝夫婦〟になるのだから。」
「まだそんなことを言ってるんですか?」