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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第36章 愛、故に。
〝愛〟が美しく可愛らしいモノだって誰が決めたのだろうか。自ら身を堕としてでも抱き締めたいと言う衝動も・・・〝愛〟なのだ。
「・・・・・・ン」
家とは、違う硬いベッドの感触に目が覚めた。
「ここ、どこ・・・」
重怠い身体をゆっくりと起こす。頭も視界もハッキリしない。
「目が覚めたか、〝珱月〟。」
「・・・・・・誰?」
声を掛けられても理解できない。
「こっちだ、〝珱月〟。」
「・・・誰、ですか?」
「判らないのか、自分の婚約者が。」
「ジュリ、アス・・・さん?」
視界がハッキリしないが〝婚約者〟と言われてしまえばそう口にするしかない。
「そうだよ。顔色がよくないな、どうした?」
「ちょっと、・・・身体が怠くて。ここは、ドコですか?」