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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第36章 愛、故に。
「だからと言って、珱月を傷付けていい理由になんてなりません。」
「そうね。でも一歩的に婚約を解消するのはいいのかしら?まずは、当事者である私にひと言あるのが当然なのではないかしら。
ソレを省いて結婚宣言をなさったのは、そちらだわ。〝棄てられた女〟と言うレッテルを貼られては、生きていくのが大変だと知っていての仕打ちだもの。許せるハズ・・・・・・ないでしょう?」
この国の貴族社会を知らない訳ではないのに無知な物言いに腹が立つ。それで正論を口にされても・・・なにも靡かない。
「ミエリア殿・・・配慮が足りなかったのは、詫びる。しかしあなたは、この婚姻を望んでいたのか?」
「ジュリアスさま・・・あなたは、愚かですね。この国の縁談など・・・〝望んで〟出来るモノでは、ないではないですか。」
それは、たとえ〝間違い〟と言われても・・・〝愛、故に〟。