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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第38章 残酷な仕打ち
彼が危ないと言うのに〝なにも〟出来ない。それが歯痒くて仕方がない。
どうしたら彼をここまで来てくれた彼の仲間たちを助けることが出来るのか・・・
(『珱月・・・・・・大丈夫よ。私に、任せて。』)
「え・・・・・・??」
あの夢で訊いた声が響く。
(『大丈夫・・・だからね。』)
「・・・・・・っ!!?」
ドクンと心臓が大きく脈打って身体の力が抜ける。
「珱月!」
「おっと!どうーした?」
「あなたに、この国を汚させたりなんかしないわ。」
「なに?」
「あなたにこの国は、あげないわ。」
「ッ゛?!!!」
男を見上げてにっこりと笑う。
「お前・・・・・・誰だ?」
「私に、逢いたかったのでしょう?」
男の表情が強張っている。
残酷なのは・・・どちらだ。