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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第39章 ソレは、〝黒髪の乙女〟・・・ 前
「おいおい、状況忘れてるのか?俺が居るのを忘れるなよ!」
「この国を穢そうとする者よ。
あなたの気持ちも私には、よく判る。」
「はっ、バカにしてるのか?お前たちに〝なにが〟判るって言うんだ!」
「あなたは、愛する義妹《モノ》の為により良い未来を。決められた輝かしい未来を。そしてその者が望む願いを叶えてあげたいと強く思って行動を起こした。その想いが純粋であったことは、間違いがないでしょう。
しかし行動した内容が宜しくなかったのです。ソレには、もう気が付いているハズです。その行動の内容で愛する者が望む未来が遠退いてしまったことをあなたは、すでに後悔しているハズです。
あなたには、もっと他の選択肢もあったハズ。心から命さえも惜しくないほどに愛した者の為ならば・・・国を出ることも出来たでしょうに。
あなたも国《ココ》から動けずに苦しんでいたのね。」