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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第6章 〝愛〟を知らない
「ロイ、さん・・・?」
窓に寄ると執事の声がした。そっとガラス戸の取っ手に手を掛ける。
「開くかな・・・」
心配になりながらもゆっくりと押してみるとあっさりとガラス戸が開いた。
「あ・・・・・・っ」
フワッといつ以来かもうあやふやになった外の空気が入ってきて身体に当たる。それだけで泣きそうになってしまった。
「行かれないのですか?」
「少し、距離を・・・置く。」
「それでは、余計に〝距離〟が出来てしまうのでは?」
「なんだ。心配をしてくれているのか?」
「当然です。人間嫌いのジュリアスさまが初めて屋敷にお連れになった女性です。
それに〝ご結婚〟までお考えになっていらっしゃいます。」
「まぁ・・・〝仕来り〟故だ。」
「本当にそれだけなのですか?」
「なにが言いたい?」