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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第10章 〝愛〟が在りますか?
言いにくそうに少女は、白状した。
「〝黒髪の、乙女〟・・・ですって?」
「はい。」
「その子が〝フィアンセ〟、だと言うの?」
「そうです。先日王宮の中庭でお目にかかったとき付き人かと思った子をそうのように紹介されました。」
全てを打ち明けた。
「〝王宮の中庭〟・・・で、逢ったですって?」
それの意味するものをミエリアは、判っていた。〝親友〟と公言しているほどの王さまと親衛隊長は、仲がいい。つまり〝お披露目〟に行ったのだ。
「そう、・・・そうだったの。」
「ミエリアさん・・・」
「皆さん。騒がせてしまってごめんなさいね。」
「いいえ・・・」
「今日は、失礼しますわ。」
恐ろしい真実を知ってしまっては、サロンになど居られなかった。
「はい、お気を付けて。」